私はこれまで大学で公務員講座を担当して多くの公務員を志望する学生と関わってきましたが、エントリーシートを作り込めていない受験生は必ず落ちています。
これまでもエントリーシートの重要性をすごく感じてきましたが、今回はしっかりと合格できるエントリーシートの書き方をお伝えします。
始めに私の経歴をご紹介します。
これより、エントリーシートの各項目に沿って、合格するエントリーシートの書き方について解説します。
エントリーシート全体の書き方について
文字数稼ぎをしない
各項目を記入する際に、枠の余白を埋めるために、無理矢理文字数を増やして余白を埋め見栄えを良くしようとする方がいますが、必要はありません。無理に文字を増やして見栄えをよくすることで中身がない文章になるために絶対に文字数稼ぎはしないでください。
他の受験生を意識して書く
エントリーシートは他の受験生に差をつけるものであり、初めましての面接官に自分を短時間で知ってもらうものです。
面接試験を通過するためには、多数いる受験生の中で印象に残る事が大切です。
貴方にとっては1日に1度の面接ですが、面接官は大勢の受験生を相手にしている事を意識して印象に残るエントリーシートを書く必要があります。
当たり障りのない事を書けば、その他大勢に自ら埋もれに行くことを意識してください。
建設的に書く
同じ設問にも関わらず、述べたい事が散らかっている方がとても多いです。
自分をアピールするために複数の内容をねじ込みたい気持ちはわかるのですが、どっちつかずのよくわからない内容になってしまいますので、あくまで1つまたは共通する事柄を建設的に述べていく事が大切です。

では、志望動機を例に建設的に書いてみましょう!
2、◯市は全国に稀にみる子育て支援策の事業の〇を平成10年から継続して行うなど力を入れており、この事業を開始してから子育て世帯の流入に成功している。
3、私は大学で研究した経験から、子育て支援に力を入れ持続的発展をしている〇市の職員として頑張りたいと思い志望させて頂いた。
どうでしょうか。1から3までの動機が建設的に積み上がっていることがわかるかと思います。
また、志望動機にしっかりと自己アピールも織り交ぜており、面接でさらに質問で掘り下げていく事で面接官の印象にも残る事でしょう。
文章の構成を意識する
私も市役所で働いていますが、日々多くの文章を考えて書きます。公務員は文章で仕事をすると言うほど日々、多くの文字に触れています。
そんな文章のプロである公務員が読むエントリーシートでは、文章を書き慣れていないエントリーシートはすぐにわかります。文の構成を意識して、丁寧に書く事が基本となります。
初めまして。の面接官に伝わる文を書く
面接官は短い時間でエントリーシートを読みます。短い時間でも自分をしっかりと売り込む内容で書くことが大切です。
各項目を書く時は、1番伝えたい事を1番始めに書いてください。
人は多くの文字を読んでも、印象に残るものは始めだけと言われています。
文字を丁寧に書く。句読点、段落もきちんとつける。
エントリーシートが手書きの場合は必ず丁寧に書いてください。文字が綺麗である必要はありませんが、丁寧でないと印象がとても悪いです。
公務員の仕事は早さよりもミスをしない事が何より大切。
文字も同じで、汚い文字は読み手を意識しない自分本位である事を表しています。あくまで読んでもらう事を意識して丁寧に書いてください。
熱意をしっかりと伝える
公務員の仕事はとても大変です。また、凄く根気がいるものです。
公務員として働くなかで、心を病んで休む職員とても多いです。このような経緯から自治体は根気よく働いてくれる職員が欲しいんです。
そこを読み取る手段は、エントリーシートしかありませんので、一つ一つの項目に熱意を感じてもらえるように書いていく必要があります。
面接を意識をして書く
エントリーシートが1番使われる場面は面接です。エントリーシートの各項目は面接で掘り下げられる事を意識して書いてください。
ここで、嘘を書いてしまうと面接官はわかります。自身の経験をしっかりと書くようにしてください。
以上がエントリーシート全体に係る書き方についてです。
エントリーシートは採用試験の合格を左右する非常に重要なものです。ただ、エントリーシートって色々な設問があって書き方すごく難しいですよね。
実際に合格を勝ち取ったエントリーシートを見る事が一番の早道!

エントリーシートの書き方は、慣れることが大切です。私が受験した当時に全ての自治体から内定をもらえたのもエントリーシートをしっかり書けたからだと思っています。
受験した当時は、合格する人のエントリーシートのクオリティについていつも気になっていて、色々と探しているうちにユニスタイルというサイトを見つけて当時かなり利用していました。
ユニスタイルは、7万件以上の実際に合格した方のエントリーシートがそのまま掲載されています。無料の会員登録をすることで見放題です。ずっと無料なので当時とても助かりました。
また、7万件と多くのエントリーシートが掲載されているので、同じような設問もたくさんあるため時間がないときは、写して書くことで楽をすることもできました。
これから、各項目の書き方について解説します。
志望動機について
この項目は、自治体の面接官が1番じっくりと読むところです。
手を抜かずにしっかりと作り込みましょう。
どの自治体にも言える抽象的な書き方をしない。
必ずその自治体を象徴している具体的例を示した上で書きましょう。
志望する自治体の具体的なものが浮かばない場合は、半日街歩きをするだけでも街の特色が見えてきます。
自分の自己アピールを織り交ぜる
社会人の場合は、現職の経験からその自治体の何に貢献ができるなどを書いてください。
学生の場合は、大学で何を専攻してきたため、その自治体の何に貢献できるなど、具体的に書いてください。
詳しくは先ほどの「建設的に書く」の例示を参考にしてください。
ただ、その自治体を褒めるだけの志望動機にしない
ただ褒めるだけの志望動機は凄く多いです。褒めるだけの志望動機は、全く印象に残りません。
褒めるだけの志望動機の例ですが、◯◯市は都市と自然が調和し、◯◯市の都市部にも近く子育てをしやすい街です。
自治体担当からすると、知っとるわ。そんなん。って印象しかありません。
ただ褒めるだけの志望動機が本当に多いですが、これはただ設問を埋めただけという印象しか残りません。
これまで取り組んできた活動について
抽象的な書き方をしない。
数字や実績を上げて具体例を示して書く必要があります。
では、実際に具体例を示せていない例を挙げてみます。

学生時代に家庭教師をしていて、勉強を指導した生徒が難関高校に合格しました。
この書き方は実際に公務員講座の模擬エントリーシートに書いてあった内容です。
これ、どう思いますか?
私は、それは貴方が取り組んできたものではなく、生徒側の実績だよね。と思いました。
生徒が家庭教師をお金を支払ってお願いして、勉強を継続して合格したんです。家庭教師の貴方の取り組みではありません。
では、同じ内容でもこの書き方ではどうでしょう。

私は大学時代に家庭教師のアルバイトをしていました。3年間指導した生徒は、志望校の合格ラインに数学が不得意であるため足枷となっていたため、自作で数学のテキストを作り授業前に解き方の解説する事で点数が向上して、平均点を合格ラインまで引き上げることができたため、志望する難関高校に合格させる事ができました。
これであれば、貴方の取り組みになります。同じ内容でも具体的を示すことで印象が180度変わります。
貴方の強みについて
みんなが書くことを書かない。
強みについて特に多いものが、コミュニケーション能力が高いと書く方です。
これははっきり言うと強みではありません。
なぜ、コミュニケーション能力は強みではないのかというと、コミュニケーション能力は、双方の会話により成り立ちます。
よって、相手のコミュニケーション能力が高いために成り立っている可能性もあるため、抽象的なものになります。
また、強みをコミュニケーション能力と書く方が非常に多いため、他の多くの受験生とも被るために、やめたほうが良いです。
強みや得意な事を書く際は、公務員の業務を意識して、数字や具体例を示したうえで書いてください。
合格するために重要なエントリーシートですが、受験する自治体毎に書く必要があり大変ですが、合格する人は一番時間を掛けているところでもありますので、ぜひ頑張って頂きたいです。